サステナブルな暮らしのためのトイレケア

2024年6月5日
サステナブルな暮らしのためのトイレケア

私たちの日常生活において、トイレは水と清掃用品を最も多く使用する場所のひとつです。しかし、ちょっとした工夫と意識の変化によって、環境への負荷を大幅に減らすことが可能です。この記事では、サステナブル(持続可能)な暮らしを実践するための、環境に配慮したトイレケアの方法についてご紹介します。

1. トイレの水使用量を見直す

トイレでの水使用は、一般家庭の水使用量の約30%を占めるとも言われています。水は限られた資源であり、その処理には多くのエネルギーが使われることを考えると、水使用量の削減は環境保全の第一歩となります。

a) 節水型トイレへの移行

現在使用しているトイレが古いタイプであれば、新しい節水型トイレへの交換を検討してみましょう。最新の節水型トイレは以下のような特徴があります:

  • デュアルフラッシュ機能:大小の流水量を使い分けられるため、必要に応じた量の水を使用できます。
  • 節水技術:従来型トイレに比べて、1回あたりの洗浄水量が大幅に削減されています。
  • 高効率洗浄:少ない水量でも効果的に汚れを流す設計になっています。

b) 既存トイレの節水対策

すぐにトイレの交換が難しい場合でも、以下のような方法で水使用量を削減できます:

  • タンク内に水を満たさない工夫:トイレタンク内にペットボトルに水を入れたものを置くことで、1回あたりの水量を減らせます。(※便器の種類によっては洗浄力が落ちる場合があるので注意が必要です)
  • 節水コマの設置:ホームセンターなどで販売されている節水コマを取り付けることで、水量を調整できます。
  • 漏水チェック:トイレタンクからの水漏れは気づかないうちに大量の水を無駄にしています。定期的に漏水チェックを行いましょう。(タンクに食用色素を数滴たらし、15分後に便器内に色がついていれば漏水の可能性があります)

c) 生活習慣の見直し

「流すときは流す」という単純な行為ですが、以下のような習慣の見直しも効果的です:

  • 「If it's yellow, let it mellow. If it's brown, flush it down.」(小便なら流さずにおいておく。大便なら流す)という英語のフレーズがありますが、水資源が特に乏しい地域では実際に実践されています。(ただし、衛生上の懸念や臭いの問題があるため、家族や来客の状況に応じて判断する必要があります)
  • ティッシュペーパーなどのゴミはトイレに流さず、専用のゴミ箱に捨てましょう。トイレに流すと水を余分に使うだけでなく、下水処理場の負担にもなります。

2. 環境に配慮した清掃方法

トイレの清掃に使う洗剤や道具も、環境に大きな影響を与えます。従来の化学洗剤から環境負荷の少ない選択肢へと切り替えることで、水質汚染の軽減に貢献できます。

a) 環境に優しい洗剤の選択

トイレ掃除に使う洗剤を選ぶ際は、以下のポイントに注目しましょう:

  • 生分解性の高い成分:下水に流れた後、環境中で分解されやすい成分を含む製品を選びましょう。
  • 植物由来の成分:石油由来の合成界面活性剤よりも、植物由来の成分を使用した製品の方が環境負荷が少ない傾向があります。
  • 環境認証:エコマークなどの環境認証を取得している製品は、一定の環境基準を満たしています。
  • ミネラルベースの洗剤:エコラグジュアリーの塩ベーストイレクリーナーのように、塩などのミネラル成分を活用した洗剤は、自然由来でありながら強力な洗浄力を発揮します。

b) 自然素材での代替清掃法

家庭にあるシンプルな材料で、環境に優しいトイレ掃除が可能です:

  • クエン酸:水垢や尿石の除去に効果的です。クエン酸を水で溶かしてスプレーボトルに入れ、汚れた部分に吹きかけて10分ほど置いてから拭き取ります。
  • 重曹:アルカリ性の特性を活かして、トイレの汚れを落とします。水で湿らせたスポンジに重曹をつけてこすると、研磨効果で汚れが落ちやすくなります。
  • :弱酸性の性質で水垢を溶かします。水で薄めた白酢をスプレーで吹きかけ、しばらく置いてから拭き取ります。(※塩素系の洗剤と混ぜると有毒ガスが発生するので、必ず単独で使用してください)
  • エッセンシャルオイル:ティーツリー、ユーカリ、レモンなどのエッセンシャルオイルには抗菌・消臭効果があります。上記の自然素材と組み合わせて使用すると効果的です。

c) 清掃道具の選択

使い捨ての清掃道具ではなく、長く使える道具を選ぶことも、廃棄物削減につながります:

  • 再利用可能なクロス:使い捨てのペーパータオルではなく、洗って何度も使えるマイクロファイバークロスなどを使用しましょう。
  • 持続可能な素材のブラシ:竹や木などの持続可能な素材で作られたトイレブラシを選びましょう。
  • 詰め替え製品の活用:洗剤は可能な限り詰め替え用を購入し、容器の廃棄を減らしましょう。

3. 廃棄物を減らすトイレ使用法

トイレにまつわる廃棄物も、環境負荷の大きな部分を占めています。これらを減らすための方法を考えてみましょう。

a) トイレットペーパーの選択

日常的に使用するトイレットペーパーも、環境への配慮が可能です:

  • 再生紙を使用した製品:森林資源の保護につながります。
  • 非漂白または酸素漂白の製品:塩素漂白に比べて環境負荷が少ないです。
  • 竹や麻などの代替素材:成長の早い竹などから作られた製品は、森林保護の観点から優れています。
  • シングルロールよりダブルロール:同じ長さでもシングルロールよりダブルロールの方が芯の数が少なく、包装も少なくなります。

b) ビデの活用

可能であれば、温水洗浄便座(ウォシュレット)やビデの活用も検討しましょう:

  • 紙の使用量削減:水で洗浄することで、トイレットペーパーの使用量を大幅に削減できます。
  • 衛生面の向上:水による洗浄は紙よりも衛生的であることが多いです。
  • エネルギー消費に注意:ただし、温水機能や暖房便座機能は電力を消費するため、使わない時間帯はスイッチを切るなどの配慮が必要です。

c) 生理用品の選択

女性の生理用品も、環境負荷の大きい廃棄物となります。以下のような選択肢があります:

  • 月経カップ:シリコン製の再利用可能なカップで、何年も使用できます。
  • 布ナプキン:洗って繰り返し使用できる布製のナプキンです。
  • オーガニックコットンの使い捨て製品:従来の製品より環境負荷が少ないです。
  • 生分解性の製品:生分解性の素材で作られた製品も増えています。

これらの選択は個人の快適さや生活スタイルに合わせて行うことが大切です。一度に全てを変える必要はなく、できることから少しずつ始めることが持続可能な選択につながります。

4. トイレ空間全体のエコ化

トイレの清掃や使用方法だけでなく、トイレ空間全体をエコフレンドリーにする方法も検討してみましょう。

a) 照明と換気

  • LED照明:従来の電球に比べて消費電力が少なく、寿命も長いLED照明に切り替えましょう。
  • 人感センサー:トイレに人がいる時だけ自動で点灯する人感センサー付きの照明は、無駄な電力消費を防ぎます。
  • 自然光の活用:可能であれば窓や天窓を設けて、日中は自然光を取り入れましょう。
  • エネルギー効率の良い換気扇:換気は必要ですが、エネルギー効率の良いモデルを選ぶことで消費電力を抑えられます。

b) インテリアと素材

  • 持続可能な素材:竹、再生木材、リサイクルガラスなど、持続可能な素材で作られたトイレ小物やインテリアを選びましょう。
  • 観葉植物の設置:適切な種類の観葉植物は空気清浄効果があり、化学的な芳香剤の代わりになります。アロエやポトス、サンスベリアなどは低光量でも育ち、空気清浄効果があるとされています。
  • 低VOC塗料:トイレの壁紙や塗料を選ぶ際は、揮発性有機化合物(VOC)の少ないものを選びましょう。

c) 自然素材の消臭方法

  • 木炭や竹炭:トイレ内に置くだけで消臭効果を発揮します。数ヶ月ごとに天日干しすることで繰り返し使用できます。
  • ミネラル消臭剤:塩や重曹などのミネラル成分を使った消臭剤は、化学的な芳香剤よりも環境負荷が少ないです。
  • エッセンシャルオイルディフューザー:電気を使わないリードディフューザーに天然のエッセンシャルオイルを使用すると、自然な香りで空間を快適にできます。

5. 長期的な視点でのトイレ選び

トイレのリフォームや新築時には、長期的な視点での選択が重要です。初期コストだけでなく、使用期間全体での環境負荷やランニングコストを考慮しましょう。

a) 高効率トイレの選択基準

  • 水使用量:1回あたりの洗浄水量が少ないモデルを選びましょう。
  • 洗浄効果:水量が少なくても十分な洗浄力があるかを確認しましょう。
  • 耐久性:長く使えるモデルの方が、製造・廃棄による環境負荷を減らせます。
  • 部品の入手しやすさ:修理可能なモデルで、部品が長期間供給されるものを選びましょう。

b) 代替システムの検討

より先進的な選択肢として、以下のようなシステムも検討できます:

  • 雨水利用システム:雨水を集めてトイレの洗浄に利用するシステムは、水資源の有効活用につながります。
  • グレーウォーターリサイクル:洗面台や風呂の排水を処理して、トイレの洗浄水として再利用するシステムです。
  • コンポストトイレ:水をほとんど使わず、排泄物を堆肥化するトイレシステムです。適切な設置と管理が必要ですが、水使用量の大幅な削減が可能です。

これらの選択肢は住環境や法規制によって制限がある場合もありますので、専門家に相談することをお勧めします。

6. 共同使用トイレでのサステナブルな実践

オフィスや公共施設など、多くの人が共同で使用するトイレでもサステナブルな実践が可能です。これらの場所では個人の選択に限界がありますが、以下のような取り組みが考えられます:

a) 意識向上のための取り組み

  • 情報提供:水の節約や適切な廃棄物処理についての情報を掲示することで、利用者の意識向上につながります。
  • エコフレンドリーな行動の推奨:「ペーパータオルは1枚で」などの簡単なメッセージが効果的なことがあります。
  • フィードバックの提供:水使用量の削減成果などを定期的に共有することで、取り組みの動機付けになります。

b) 管理者ができる取り組み

  • 節水設備の導入:センサー式の蛇口や節水型トイレへの交換を検討しましょう。
  • 環境に配慮した清掃用品の使用:清掃スタッフと協力して、環境負荷の少ない洗剤の使用を推進しましょう。
  • ハンドドライヤーの導入:ペーパータオルの代わりに高効率のハンドドライヤーを設置することで、紙の使用量を削減できます。
  • 再生紙製品の採用:トイレットペーパーやペーパータオルは再生紙製品を選びましょう。

まとめ:小さな変化の積み重ね

トイレのサステナブルな使用と管理は、日々の小さな選択の積み重ねです。この記事でご紹介した方法すべてを一度に取り入れる必要はなく、自分のライフスタイルや住環境に合わせて、できることから始めることが大切です。

エコラグジュアリーの塩ベーストイレクリーナーのような環境に配慮した製品を選ぶことも、その一歩です。私たち一人ひとりの選択が、より持続可能な未来への道を拓いていくのです。

トイレは私たちが日常的に使う空間であり、その使い方や管理方法を見直すことは、環境保全への大きな貢献となります。今日から、あなたのトイレルーティンに小さな変化を取り入れてみませんか?